ケーススタディ - ネスカフェ 3in1 NE’APP

ネスレは1866年創業のスイスの多国籍企業です。創業当時は、新鮮なミルクの代わりとして、安全で長期保存のきく乳児用乳製品を販売していました。1904年、同社は今では世界的に有名となったチョコレート製品の販売を開始します。1929年のウォール街暴落の衝撃に見舞われた後は、ブラジル政府より「過剰に生産してしまったコーヒーの販路を見つけてほしい」との依頼を受けます。ここから生まれたインスタントコーヒー「ネスカフェ」は、現在180ヶ国以上で愛されています。

ネスカフェはトルコでも広く親しまれており、2001年にはクリームと砂糖が入ったインスタントコーヒー飲料「ネスカフェ 3in1」を発売しました（日本では未発売）。デジタルに精通した若者層が多く、アプリダウンロード数で世界第8位のアプリ市場であるトルコで、ネスレはNE'APPを発表することを決定したのです。

フード＆ドリンクアプリであるNE’APPは、ネスカフェ 3in1ブランドの一環として、顧客のロイヤリティ向上を目的としてローンチされました。ネスカフェ 3in1のパッケージには10桁のコードが記載されており、アプリユーザーはこれを入力してアプリ内特典「N'POINT」を集めたり、ギフトの購入に利用したりできます。

ネスカフェ 3in1は、デジタルファースト企業へのニーズが高まるトルコでの競争が激しいものになることを予想していました。NE’APPを率いるマーケティングチームは、ペースの速いデジタルマーケティング分野で成功を収めるために、敏捷に対応することが求められたのです。

ネスカフェ 3in1がトルコで多くの人々に愛されていることもあり、同社チームは当初、複数のチャネルやプラットフォームでNE’APPのキャンペーンを展開しました。それにより、キャンペーンデータを一元管理し、複数のソースを横断したマーケティングの取り組みを計測する必要が生じたのです。キャンペーン開始後、ネスカフェ 3in1はさまざまなオーディエンスを特定し、関連性のあるクリエイティブでアピールすることを計画します。しかし、それを実現するためのツールを持っていなかった同社は、NE'APPをトルコで成功させるために、マーケティングのニーズに対応するモバイル アナリティクス プラットフォームを探し始めたのです。

ネスカフェ 3in1は、信頼できる唯一のデータソース（SSOT）としてAdjustを選び、全マーケティングデータを1ヶ所に集約しました。「Adjust管理画面」を活用して、すべてのキャンペーンとプラットフォームでパフォーマンスを比較しました。さらに、Adjustの最新アナリティクスソリューションであるDatascapeを導入することで、ネスレはリアルタイムの集計データとビジネス固有の指標を含む詳細なレポートにアクセスできるようになりました。

ネスカフェ 3in1はAdjustを活用し、NE'APPに価値の高いユーザーをもたらしたソースを明らかにすることでアトリビューションを成功させました。Adjust管理画面で、正確かつクリーンなデータを使用して最もパフォーマンスの高いチャネルを特定し、それに応じてキャンペーンと予算を最適化したのです。新しいチャネルやプラットフォームとの連携を進めていた同社は、これらの新しいソースを容易にAdjustと連携させ、マーケティングの取り組みを迅速にスケールアップしました。

また、同社チームはカスタマージャーニーにおける離脱ポイントも特定することができました。例えば、パーソナライゼーションや使いやすいインターフェイスがユーザーにとって重要であることに気付き、アプリを更新してこれらのユーザー体験（UX）要素を反映したのです。優れたアプリ継続率とは、iOSの場合6〜7%（インストール後30日目）を指しますが、ネスカフェ 3in1は、Adjustを導入した最初の1年間で10%以上の継続率を維持することに成功しました。さらに最適化を進めた結果、直近では13.37%の継続率を記録しています。