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ケーススタディ - イグニッション・エム

広告収益レポート機能を導入したことにより、1カ月間の動画視聴数などに基づく新しいKPIを設定することができるようになりました。

CPE広告は、広告収益を合わせると1カ月間での広告費用回収率が100%を超えました

広告収益レポート機能導入後は一括でデータを取得して一覧できるようになり、作業時間は4分の1ほどに、頻度は月1回に短縮されました。

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イグニッション・エムについて

株式会社イグニッション・エムはゲーム開発、配信、運営などを手掛ける企業です。ドット絵を基調としたローグライクアクションゲーム「ラズベリーマッシュ」やタワーディフェンス型ゲーム「ぼくとネコ」などの代表作があり、いずれも作りこまれたシステムで爽快感を味わうことができる点が特徴的です。今回は、個性的なゲームを世に送り出し続ける同社代表取締役の升田貴文氏にお話を聞きました。

課題

イグニッション・エムは「動画広告収益の詳細が分からない」という課題を抱えていました。媒体の管理画面を通じて全体的な広告収益動向は確認していたものの、実際にAdjustで計測したどんなユーザーがどれほど広告を視聴しているのか、オーガニック経由と広告経由の閲覧ユーザーがそれぞれどれほどいるのかまでは把握できていなかったのです。各媒体から直接的にデータを取得しても十分な情報は集まらず、何よりも各媒体の管理画面に毎回入り直してデータを収集し、さらにデータの照合や整理といった作業に多大な労力と時間を要しました。

例えば、同社のタイトル「ぼくとネコ」は、英語版、韓国版、台湾版、日本版の4タイトルがあり、それぞれに対して3つの広告媒体を利用すると、参照すべきデータは12種類にも及びます。そしてタイトルや広告媒体を1つ増やすごとに、見るべきデータは増えていく一方という状況に陥っていました。

ソリューション

これらの課題を解決すべく、同社は「広告収益(Ad Revenue)」レポート機能の導入を決めました。その結果、アプリ内課金ユーザーに加えて、動画広告を閲覧したユーザーの流入元であるアドネットワークを特定し、細分化されたセグメントを詳しく分析することができるようになったのです。

升田貴文 氏

株式会社イグニッション・エム 代表取締役

また同社はあらゆる広告流入ユーザーに対して「1カ月以内での広告費用回収」をKPIとして設定しています。しかしながら、CPE広告においては規定のエンゲージメントに到達するまでに1カ月以上を要することが大半です。広告収益レポート機能を導入したことにより、1カ月間の動画視聴数などに基づく新しいKPIを設定することができるようになりました。

さらに升田氏は、各媒体が計上する実際の収益額とAdjustの管理画面を通じて把握する金額にずれが生じる可能性をも不安視していましたが、実際には両者に差異はなく、信頼できるデータを取得できていると実感しています。

結果

広告収益レポート機能導入のきっかけの一つにもなったCPE広告は、広告収益を合わせると1カ月間での広告費用回収率が100%を超えることが明らかになりました。

また同社ではデータ計測関連業務を升田氏が一人で担当しています。これまでは媒体ごとに1週間単位でデータを取得し、それぞれのデータをExcelで集計するといった作業に半日を費やしていました。ところが、広告収益レポート機能導入後は月1回、しかも一括でデータを取得して一覧できるようになったので、作業時間は4分の1ほどに短縮されました。

さらにデータ集計作業を簡素化できたことで、「愚直にゲーム制作に取り組む環境を整備することができた」点を高く評価しています。「日進月歩で進化するデジタル広告関連技術に関しては専門事業者に任せた方がよい」というのが升田氏の考えです。

升田貴文 氏

株式会社イグニッション・エム 代表取締役

今後の展開

広告収益レポート機能導入がもたらした効果は、データ分析環境の整備や省力化に留まりません。升田氏は、事業の長期的な展望が変化したと言います。「動画広告がしっかりとした収益源となっていることが数値として裏付けられたことで、課金モデルではないゲームの開発を本格的に検討できるようになった。課金モデルに囚われずに済むようになったことは非常に大きい」からです。

「コンテンツ自体の面白さや斬新さを追求したいとの思いはあるが、それだけではマネタイズにおいて壁にぶつかってしまうことがある。広告収益を定量的に把握できるようになったことで、広告モデルを戦略的に計画できるようになりました」。実際にそれまで課金率が決して高くなかった「ラズベリーマッシュ」は、代わってCPE広告を通じてマネタイズをしていくように方針を変更したことで収益を増加させるに至っています。