インクリメンタリティ | Incrementality
インクリメンタリティとは
モバイルマーケティング業界に共通する問題は、オーガニックによる流入と広告経由のインストールを常に区別できるわけではないということです。これが原因でマーケティング予算の算定ミスにつながったり、最悪の場合には、オーガニックのインストールに対してマーケターが広告費を支払う事態を招くことがあります。
このような問題点は、マーケティングキャンペーンの影響とオーガニックトラフィックの程度を示すインクリメンタリティ計測により解決できます。インクリメンタリティを知ることで、広告費用とそれにアトリビュートされたインストール数を元にコストを把握し、それに応じてチャネルの規模を調整することができます。
インクリメンタリティのテスト方法
インクリメンタリティのテスト構造は複雑ですが、A/Bテストをご存知の方なら、仕組みを理解するのは比較的容易です。Adjustのブログでも解説していますのでご覧ください。
ここでは基本的なテスト方法をご紹介します。まずは、似たユーザー行動をとっているアプリユーザーを2つのオーディエンス(グループA、グループBとします)にセグメント化し、キャンペーンをグループBにのみ展開します。グループAのインストール流入元は完全にオーガニックなため、グループAのインストール数に対するグループBの増分が、広告費用の効果ということになります。例えば、次の結果が得られたとします。
グループA(コントロールグループ、広告表示なし):100インストール
グループB(テストグループ、広告表示あり):120インストール
広告を配信したことにより、追加インストールが20件発生したと見なすことができます。この結果から、リフト(増分)とインクリメンタリティ(増分割合効果)を算出できます。
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リフトはグループBのグループAに対する増分(20インストール、20%の増加)
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インクリメンタリティは、マーケティング費用によって増加したコンバージョン数がグループBに占める割合(20インストール、グループB全体の16.7%に相当)です。
それでは、増分コンバージョンのインクリメンタリティに対する費用はどうでしょうか?これは、グループBに対する広告費用を計測した増分で割ることで算出できます。キャンペーン費用が100ドルで、増分インストールが20であれば、増分ユーザー1人あたりの費用は5ドルになります。
キャンペーンを長期にわたって拡大させていく場合は、追加した広告費用よりも高い割合でユーザーが増加しているかどうかを判断し、インストール当たりの費用を下げていくこともできます。
また、インクリメンタリティテストを実施する際は、以下の点を考慮しておくことが大切です。
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テストの目的:それぞれのテストから何を理解したいですか?
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信頼水準:そのテストはより多くのオーディエンスを代表するものですか?
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緩和要因:それは信頼できる結果ですか?信頼できない場合、その理由は何ですか?
また、ユーザー行動は時間と共に変化するため、テストから得られた内容が将来の結果を反映するとは限らないということも考慮に入れておく必要があります。よって、変化に適応できるマーケティング戦略を策定し、一度定義したユーザー行動を定期的に見直ることが大切です。
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