アプリマーケターのためのWWDC23注目ポイント
Micah Motta, Senior Content Writer, Adjust, 2023年6月13日.
昨年のiOS 16のリリース時と同様に、今年も世界開発者会議(WWDC23)のまとめをお届けします。ここではWWDCの基調講演を基に、アプリ開発者とマーケターの視点で見たインサイトを紹介します。今年、Appleはどのような注目すべき発表をしたのでしょうか。以下で詳しくご覧ください。
SKAN 5リリースについての言及は?
SKAN 3からSKAN 4へ移行中のアプリマーケターには、ひとまず安心していただけます。Appleは、SKAN 5を今年リリースすること自体は発表しませんでしたが、APIのアップデートを紹介する基調講演のスクリーンには確かに「SKAN 5」の文字がありました。さらにその後、Platforms State of the Unionにおいて、Appleは「リエンゲージメントの計測に対応する」といったSKAdNetwork 5の詳細について触れています。SKANは現在リエンゲージメントの計測に対応していませんが、これは喜ばしいことであり、特にAndroidのGoogle Privacy Sandboxがリエンゲージメント計測をサポートしていることを考えると、業界のニーズに応えるアップデートだと言えます。これをふまえて現時点でわかることは、AppleがSKANの開発と投資を継続しているということです。
多くのマーケターが依然としてSKAN 4に適応中で、SKAN 4の粒度の粗いconversion value、計測期間、ポストバック、lockWindowを最大限活用するために試行錯誤していることを考えると、SKAN 5のリリースはかなり先のことになると予想されます。正式なリリース時期がわかり次第、Adjustはこれまで通りお客様がスムーズに対応できるようしっかりサポートいたします。
注目ポイント: iOSキャンペーンを最大限活用するため、今すぐSKAN 4への移行に取り組むことをおすすめします。とはいえ、SKANの計測は複雑に感じられることでしょう。そこでAdjustは、効果的なconversion valueマッピングをサポートするオールインワンソリューション「Conversion Hub」を開発しました。
SKANでiOSキャンペーンを効果的に計測したいとお考えですか?
頼れるSKAN対策ツールとしてAdjustをご利用ください。強力なiOSソリューションのひとつとしてAdjustが提供しているSKAN 4対応SDKにより、マーケターはSKAN 4をキャンペーンにフルに導入し、活用することが可能になります。Adjustで効果的なiOSキャンペーンを達成しましょう。
App Storeのプライバシーに関するアップデート
AppleはWWDCでその後、「App Storeのプライバシーに関する最新情報」を発表しました。Appleは、データプライバシー保護の継続的な取り組みと技術開発に加えて、いくつかの新機能を導入します。
- 新しいプライバシーマニフェスト: このアップデートは、サードパーティ製SDKでのデータ使用を開発者が理解できるようにすることを目的としています。Xcodeは、アプリ内のサードパーティのコードに関するプライバシー慣行をまとめたファイルを提供し、開発者が使用しているすべてのサードパーティ製SDKのプライバシーマニフェストを、使いやすい1つのレポートに集約します。
- APIを使用する理由が求められるように: ユーザーのプライバシー保護をさらに強化するために、フィンガープリント(App Storeでは禁止されている行為)に使用される可能性のあるAPIを参照するアプリでは、そのAPIの使用が認められる理由を選択し、プライバシーマニフェストでその使用について宣言することが求められるようになります。
- SDKシグネチャー: サードパーティ製SDKを使用する際のソフトウェアサプライチェーンの健全性を高めるため、Appleは新しいSDKシグネチャーを導入し、Xcodeがこの署名を検証するようになります。
Appleは年内に、ユーザーのプライバシーに大きな影響を及ぼすSDKのリスト、「理由が求められる」APIのリスト、開発者向けフィードバックフォーム、シグネチャーとプライバシーマニフェストに関する追加ドキュメントなどの追加情報を公開する予定です。これまで通り、Adjustはこれらのアップデートに全面的にサポートし、モバイルマーケティング業界のプライバシーを重視した継続的な発展に尽力していきます。これらの変更点がAppleによって正式に発表され次第、それに対応するためのヒントなど、さらなる情報をお届けします。
iOS 17で「スタンバイ」モードが登場
iOS 17に関連する最新情報の多くは、メッセージ機能の改善や連絡先ポスターに関するものでしたが、Appleはマーケターにとって興味深い新たな体験アプリを発表しました。常時表示ディスプレイを備えたiPhone 14 Proシリーズモデル専用の「スタンバイ」モードでは、iPhoneを回転させてスタンドに横向きに置くと、iPhoneがロック画面上に天気予報やカレンダーの予定、通知などが表示します。
注目ポイント: ここでAdjustが強調したいポイントは、効果的なプッシュ通知マーケティング戦略の重要性です。プッシュ通知戦略はこれまでもユーザーのエンゲージメントに欠かせないものでしたが、常時表示ロック画面に通知が表示されるようになった今、通知メッセージをテストし、最適化してこのチャンスを活用することが大切です。
VRヘッドセット「Apple Vision Pro」の発表
Appleの仮想現実(VR)ゲーム用ヘッドセット「Vision Pro」の発売についても、待ちに待った発表がありました。Appleが新しい製品カテゴリーを発表するのは数年ぶりであり、世界中が注目しています。このヘッドセットは、前面が湾曲したゴーグルになっており、ハイスペックな外部スクリーンと外部カメラを搭載しています。この構造により、外からはユーザーの目が見えるようになり、ユーザーが外の世界とゴーグルを通して見ている仮想現実を結びつけられるようになります。つまり、現実世界の高品質な画像にバーチャルオブジェクトを重ね合わせることで、ユーザーはVRと拡張現実(AR)の体験を切り替えることができるのです。Apple CEOのティム・クック氏は次のように述べています。「デジタルコンテンツと現実世界を融合させることで、Vision Proは私たちを空間コンピューティングの世界へと導きます」
基調講演ではさらに、開発者に向けてVision Proのエキサイティングな機能が直接紹介されました。これらの機能を受けて、開発者はVision Pro用のアプリを開発するだけでなく、既存のアプリを再構築して没入感のあるユーザー体験を作り出すことができるでしょう。
注目ポイント: Vision Proの発売は2024年とまだ先ですが、この新製品はAppleにとって、ひょっとするとアプリ開発者にとっても、メタバースの未来に向けた大きな前進だと言えます。Bloombergによると、ユーザーはVision Proを使用して、AppleのTVアプリでiPadのゲーム、スポーツ、フィットネスアプリにアクセスできるようになるようです。Adjustは、今後Vision ProのようなVRヘッドセットとともにメタバースアプリが台頭し、AR/VRアプリ市場のパイオニアが大きな成功を収める可能性があると予想しています。
WWDC23以降も最新情報に注目
ここまで、WWDC23の注目ポイントをお伝えしてきました。Adjustは今後も、アプリマーケターに最新の業界トレンドや変更点に関する情報をお届けしていきます。さらに、モバイルアプリトレンド 2023レポートや【2023年版】CTVガイドなどを始めとする豊富なリソースもご活用ください。
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