アプリの優れた継続率とは?
Adjust, Content Team, Adjust, 2022年1月18日.
アプリマーケティングにはさまざまな計測指標がありますが、ユーザー獲得(UA)において最も重要なベンチマークの1つに、コンバージョン率があります。コンバージョン率について理解し、関連データを深く掘り下げることで、ユーザージャーニーを最適化する方法を学ぶことができます。
コンバージョン率は、計測対象によって変化します。アプリカテゴリーからコンバージョンを計測したいイベントまで、あらゆるものがこのKPIに影響を与えるからです。アプリの競争優位性を確認し、パフォーマンス向上のために積極的なアクションをとる必要があるかどうかを判断するには、自社アプリを同カテゴリーの競合アプリと比較する方法を学ぶことが不可欠です。
この記事では、一般的に考えられている「優れたコンバージョン率」とはどのようなものか、そしてコンバージョンを増加させるためのアプローチについて紹介します。
コンバージョン率の計測方法
インストール、購入、アプリ内イベントなど、マーケターが計測したいユーザーアクションは「コンバージョン」として計測できます。コンバージョンと見なされるイベントのタイプは、マーケターの評価対象やアプリのタイプによって変わります。たとえば、モバイルのゲームアプリなら、インストール数を増加させたいと考えるでしょう。しかし、Eコマースアプリの場合、インストールはコンバージョンと見なされず、代わりにユーザーの初回購入がコンバージョンとなります。ソーシャルメディアアプリでは、ユーザーが初めて投稿するまでコンバージョンとしてカウントされません。どのアプリ内アクションを計測するにしても、コンバージョン率の計算にはシンプルな計算式を使用します。
コンバージョン率とは、計測対象のキャンペーンがリーチしたユーザーの合計数を、意図したアクションを完了したユーザーの数で割ったものです。たとえば、キャンペーンが10,000人のユーザーにリーチし、そのうち500人のユーザーがキャンペーンがきっかけでアプリをインストールした場合、500/10000 = 0.05でコンバージョン率は5%となります。
コンバージョン率とは何かが理解できたら、次は業界平均に照らし合わせたベンチマークを見ていきましょう。
アプリのコンバージョン率のベンチマーク
AppTweakは2020年、米国の複数のカテゴリー全体の平均コンバージョン率はApp Storeで33.7%、Google Play ストアで26.4% であることを明らかにしました。しかし、コンバージョン率はコンテクストに大きく左右されるものです。つまり、カテゴリー、地域、計測対象のアクションだけでなく、キャンペーンによっても変化します。たとえば、新規ユーザーへのリーチを目的としたディスプレイ広告キャンペーンは、既存ユーザーへのエンゲージを目的としたメールキャンペーンよりもコンバージョン率が低くなる可能性があります。
コンバージョン率を向上させる方法
コンバージョンはユーザージャーニーにおいて欠かせないものですが、これらをチェーンのつながりとして考えることが重要です。どこで問題が発生し、どうやってそれを修正するかをピンポイントに特定するには、ユーザージャーニーを完全に把握する必要があります。コンバージョン率を向上させて、より優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するためのヒントを、以下にご紹介します。
アプリのコンバージョン率を向上させる5つの方法
- キャンペーンをパーソナライズ化する — 多くのアプリにとって、最も価値のあるコンバージョンはインストールです。コンバーション(インストール)を増加させるには、キャンペーンをパーソナライズ化させる必要があります。ユーザーの個別のニーズに合わせてUAキャンペーンをカスタマイズすることで、製品により興味を示し共感してくれる、価値の高いユーザーを獲得できます。ダイナミックプロダクト広告(DPA)を配置して、ユーザーとの関連性が高い、パーソナライズされたクリエイティブでユーザーにアプローチしてみましょう。こうすることで、キャンペーンの序盤からアプリにとって適切なユーザーとつながることができます。
- あらゆるものを計測する — ユーザーがどのポイントでアプリから離脱するかを特定するには、とにかくすべてのものを計測してみる必要があります。インストール、購入、ユーザー登録など、マーケティングファネル内のあらゆるエンゲージメントを計測することで、コンバージョンに関する貴重なインサイトを得られるだけでなく、UA戦略をさらに洗練する上で役立つ価値の高いチャネルを発見できます。モバイル計測パートナー(MMP)と適切なイベントを計測し、コンバーションファネルの潜在的な問題を特定しましょう。
- 計測データに基づいてABテストをする — ユーザーが離脱するポイントが把握できたら、次はコンバージョン率の向上に効果的だった施策を明らかにする必要があります。アプリをインストールするものの、オンボーディングプロセスの完了には至らない場合、カートに商品を追加したまま途中で購入を止めてしまう場合など、ABテストを通してシステマチックに検討しましょう。テストをするには仮説が必要ですが、結果が予想から外れた場合はその仮説を捨てなければならないことを念頭に置いておいてください。フィンテックアプリのYottaは、友人を紹介したユーザーにプレゼントするボーナスチケットの数を増やせば、紹介件数も増加すると仮説を立てました。しかし、テストの結果その仮説は間違っていたことが分かり、何が効果的かを最初から検証し直すことになったのです。
- オンボーディングプロセスをマスターする — オンボーディングは重要なパートですが、コンバージョンイベントがインストール後のアプリ内アクションの場合はそこまで重要でないでしょう。ユーザーがオンボーディングを面倒に感じ、完了に至らない場合、コンバージョンポイントに辿り着くことは決してありません。すべてのポイントを計測・テストしている場合は、オンボーディングの課題も特定する必要があるでしょう。しかし、ユーザー体験が最適化されておらず、アプリの使い方がユーザーに正しく伝えられていない場合、問題はファネルのさらに深い部分で発生する可能性があります。よって、オンボーディングではシンプルに、かつ重要な情報をしっかり伝えるようにしましょう。
- 必要に応じてユーザーにリエンゲージする — 従来のモバイルマーケティングでは、UAに大きな重点が置かれてきました。しかし、ユーザーエンゲージメントと継続率は同等に(もしくはさらに)重要だということがわかっています。なぜなら、アプリ利用中のユーザーを邪魔する何らかの要因が発生することは回避できないからです。適切なタイミングでリエンゲージメントメッセージを表示することで、商品をカートに追加したまま放置しているユーザーや、新規登録プロセスが途中のまま忘れてしまったユーザーをアプリに呼び戻すことができます。プッシュ通知、メール、リターゲティング広告などを使用してユーザーをアプリに連れ戻し、一度開始したアクションを終わらせるよう促して、コンバージョンイベントを完了させましょう。
アプリのコンバージョン率の向上に役立つこれらのヒントを活用すれば、コンバージョンを最大限増加させるだけでなく、ユーザー体験全体を最適化できるようになります。UXを常に重視することで、より優れたアプリを構築でき、ユーザージャーニー全体においてその波及効果が得られるでしょう。
アプリのベンチマークについてより詳しく知りたい場合は、継続率に関する記事もご覧ください。
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