SKAN 3からSKAN 4への移行:iOS広告主のためのインサイト
Sandra Johansson, Product Manager SKAN Solutions, Adjust, 2023年6月16日.
2023年のiOSとSKAdNetwork(SKAN)のキャンペーンについて、広告主やマーケターから最もよく聞かれる質問は、「SKAN 3からSKAN 4へ簡単に移行できるか」と「両バージョンを同時に使用することはできるか」という2つです。幸運なことに、答えはどちらも「YES」です。
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SKAN 4のポストバック受信を開始するために行わなければならない作業はありません。インストールが発生するデバイスがiOS 16.1.1以上であれば、パブリッシャーはSKAN 3シグネチャーではなくSKAN 4シグネチャーで広告に署名するだけでSKAN 4のポストバックを受信できるようになります。
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SKAN 3とSKAN 4は同時に使用することが可能です。広告主やパブリッシャーがSKAN 4の機能を試している間、広告は一部SKAN 3、一部SKAN 4により署名されます。つまり、当面の間、あるいはSKAN 4への移行が完了するまで、2つのバージョンが並存することになります。
SKAN 4への移行についてより詳しく知りたい方は、さらに細かい部分まで深掘りし、SKAN 4の新機能を最大限活用する方法をご確認ください。
SKAN 4の改善点と新機能を最大限活用する方法
SKAN 4をフル活用するには、まずSKAN 4対応のSDKをアプリに実装します。これは、ポストバックを受け取るためではなく、粒度の粗い値やlockWindowsを使用するために必要となります。次に、SKAN 4用にconversion valueを設定し、3つの計測期間すべてに対してマッピングします。こうしてSKAN 4のポストバックを受信し、ポストバックのconversion valueから得られるデータシグナルを活用してアクションにつなげることができます。
中には、MMP(モバイル計測プロバイダー)にまだSKAN 3用が設定されている、iOS 16.1以前のバージョンのデバイスがある、あるいはSKAN 4対応のSDKが実装されていないケースもあるでしょう。一部のパブリッシャーがSKAN 3で広告に署名している可能性もあります。このような場合であっても、SKAN 3のポストバックを受け取れると同時に、その情報を使ってSKAN 4以前と同じようにiOSキャンペーンを最適化することが可能です。
業界でのSKAN 4の浸透率が少しずつ高まっている一方で、少なくとも今後数ヶ月間は上記のような状態が続くでしょう。両バージョンが安全に動作し、並存できる今こそ、SKAN 4の可能性を探る絶好のタイミングだと言えます。SKAN 4でテストをしても、SKAN 3キャンペーンに影響が及んだり、アトリビューションの奪い合いが発生したりすることはないため、安心してさまざまな機能を試してみてください。
では、広告主のSKAN 4移行のためのステップを見ていきましょう。
- SDKのアップデートを完了します。Adjustは2022年11月に初のSKAN 4対応SDKをリリースしました。最新バージョンはこちらで確認できます。
- AdjustでSKAN 4用の設定を行います。この設定を行わないと、粒度の粗いconversion valueなど、SKAN 4の機能をフルに活用することができません。この段階で、3つの計測期間すべてに対して粒度の粗いconversion valueの設定を始めておく必要があります。
- アドネットワークでどのように4桁のソース識別子を使用するか決定します。SKAN 3では100のキャンペーンID(旧称)だったのに対し、SKAN 4では10,000のソースIDを使用できます。これにより、さらに粒度の高いターゲティングとキャンペーン最適化の可能性が広がります。
- Webキャンペーンを実施しており、これまでATTフレームワークに依存していた場合、SKAN 4ではWebからアプリへのアトリビューションができるようになります。これについて今から検討を始め、アドネットワークでテストしておきましょう。
上記で一番難しいのが2つ目のステップです。SKAN 4の設定の複雑さに圧倒されることなく、着実に準備を進めていきましょう。そのためのサポートはAdjustにお任せください。
Conversion valueマッピングとSKAN 4の3つのポストバック
SKAN 4への移行については難しく捉えすぎず、1つ目のポストバックで抽出したいデータに注目しましょう。まずは、粒度の細かいCVマッピング(SKAN 3と同じ63のconversion valueへのマッピング)と粒度の粗いCVマッピングの両方を設定する必要があります。1つ目のポストバックで粒度の粗い値を受け取るか、粒度の細かい値を受け取るかはわからないためです。例えば、あなたの現在のCVマッピング(SKAN 3)が、収益範囲を63のconversion valueすべてにマッピングするように設定されているとしましょう。SKAN 4へ移行するには、これを粒度の細かいCVマッピングモデルとして使用し、これをグループ分けして粗いマッピングを行うだけです。最初のポストバックにおける低レベルの粗い値の注意点は、それがインストール自体か、あるいは最初のセッションのために取り置かれるということです。そのため、粒度の細かいconversion valueを残りの2つの粒度の粗い値(中・高)の範囲で分配しなければなりません。単純に、粒度の細かいconversion valueを2つに分けて、1〜31を中レベルの粒度の値に、32〜63を粗い値に使用しましょう。
続いては2つ目と3つ目のポストバックです。この2つからは、粒度の粗い値のみを受け取ることになります。これについては考えすぎずに、ユーザージャーニーのさらに先にある重要なKPIに焦点を当てましょう。例えば、3日目〜7日目、8日目〜35日目(計測期間の長さ)の間に一定の収益を達成する、あるいは重要なイベントが発生する、などの指標がこれに当てはまります。これら2つの粒度の粗い値のマッピングは、いつでも繰り返し行うことが可能です。重要なのは、まず始めてみることです。
つまり、SKAN 4の設定は、SKAN 3のCVマッピングを発展させることによって実施できます。最初から最終的な設定内容を決める必要も、完璧である必要もありません。また、1回目のイテレーションで100%上手くいくことはないでしょう。とにかくテストを繰り返して最適化することが重要です。
次のステップと念頭に置いておくべきこと
さらに、最も注目されているSKAN 4の新機能には「lockWindow」があります。lockWindowは、アプリのユーザー層や計測のニーズに合わせてSKAN 4の設定をカスタマイズするのに役立ちますが、Adjustは、最初のうちはシンプルな使い方をすることをおすすめします。つまり、自社の戦略、アプローチ、conversion valueマッピングがまだ確定していないうちにlockWindowを適用すべきではないということです。
Adjustは経験上、このような大きな可能性を秘めた新機能には、考慮しなければならない制約があることも理解しています。lockWindowの場合、そのトレードオフは、ポストバックをより早く受け取ることになる可能性があることから、非常に貴重なデータインサイトを逃してしまうかもしれないということです。さらに、この機能に対応するためにキャンペーンの最適化戦略を今後どのように適応させていくかが明確でないため、主要なネットワークは、lockWindowの最適な使用方法を提供するまでには至っていません。いずれはlockWindowに関する基準やガイドラインが整備されると思われますが、業界としてはまだそこに達していないのが現状です。
現時点では、次の対応をしておきましょう。
- SDKをアップデートします。
- SKAN 3のCVマッピングを発展させて、SKAN 4用の設定をします。複雑だと思い込んであれこれ考えたり、ストレスを感じたりするのではなく、納得のいくものを選び、そこからスタートして効果のあるものを繰り返し試しましょう。
- ソースIDの使用方法やWebキャンペーンの実施方法については、アドネットワークに相談の上、設定を行ってください。
SKAN 4に移行するにあたって不安がある場合は、Adjustの担当者までお気軽にご相談ください。また、AdjustのiOS/SKAdNetworkソリューションのフルスイートをこちらからご確認ください。
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