Eコマース：5月の成長率は11月を上回る？インストール数、セッション数、アプリ内収益の分析

過去数年間で、新しいブランドや商品をどこで見つけるか、どのタイミングで購入するかなど、人々の購買行動は根本から変化しました。Eコマースカテゴリーでは、ブラックフライデーセールやクリスマス商戦がある11月に次いで収益の多い月のひとつとして、5月の存在感が急速に強くなっています。2021年5月は、1年間で買い物客が最も割り引き商品を購入した月（11月を除く）となりました。というのも、5月は母の日、戦没者追悼記念日、ラマダン明け祭りなど、世界的に祝日が多く、これが特定のコミュニティによる購買行動を促進するきっかけになったからだと考えられます。

Adjustは、世界のEコマースアプリにおける過去3年間の5月のインストール数、セッション数、アプリ内収益に注目し、前年比の成長率と、年平均および11月のデータとの比較を実施しました。

2021年5月は、Eコマースアプリのアプリ内収益が、Adjustが計測を開始して以来最も大きく増加した月でした。2021年11月よりも9%、年平均よりも18%多い結果となりました。このカテゴリーにとってすでに大きな収益をもたらした2020年5月と比較しても、アプリ内収益は112%と大幅に増加しました。

新型コロナウイルス感染症の流行がピークを迎えた2020年5月、世界のEコマースアプリのインストール数は、年平均よりも10%多くなりました。2021年5月は年平均を引き続き上回ったものの、インストール数が若干減少しています。これは、多くの市場でロックダウンやソーシャルディスタンスの規制が緩和され、消費者が実店舗で買い物できるようになったことが原因だと考えられます。しかし、注目すべきことに、2021年5月のインストール数は2020年11月よりも4%多くなりました。

年平均と比較すると、世界のEコマースアプリのセッション数は2020年5月に7%、2021年5月に1%増加しました。昨年の若干の伸びは、収益が伸びたレストランやトラベルアプリにユーザーの支出対象がシフトしたことを反映したものだとも考えられます。しかし、2022年5月は、セッション数が現時点の2022年平均を3%、2021年平均を11%上回っており、ユーザー行動が通常に戻り、5月のパフォーマンスが安定した傾向となっていることを示しています。

2020年5月は自宅でスマートフォンを使用して過ごす人が増えたため、Eコマースアプリのセッション数は2019年5月と比較して65%増という大幅な伸びを見せました。2021年5月と2022年5月のセッション数はそれぞれさらに8%、11%増を記録しています。