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2022年の仮想通貨とモバイルアプリの動向 パート5:仮想通貨アプリユーザーは定着率とエンゲージメントが高い

モバイルにおける仮想通貨カテゴリーの成長が続く中、Adjustはそのデータを継続的に分析しています。今回は、仮想通貨アプリトレンドレポートでも取り上げたいくつかの重要な指標をより詳細に分析し、モバイルマーケター、広告主、開発者がダイナミックに成長するこのアプリカテゴリーを最大限に成長させる方法について、最新のインサイトを紹介します。

本シリーズのパート4では、さまざまなアプリストアに存在する多数の仮想通貨アプリを調査し、世界全体と地域別のダウンロード数、インストール数、セッション数のパフォーマンスに焦点を当てました。今回のブログでは、継続率、定着率、アプリごとのパートナー数に注目します。

仮想通貨への関心や同カテゴリーのアプリを展開する競合他社との競争が高まるにつれ、継続率や定着率といった指標がこれまで以上に重要になっています。つまり、ユーザーをアプリに引き付けるだけでなく、競合を上回るエクスペリエンスを実現し、ROIを最大化するために長期間ユーザーにアプリの使用を継続してもらうことが重要です。Adjustのデータによると、仮想通貨アプリはこの点ですでに素晴らしい成果を挙げていることが判明しています。

継続率とトップの仮想通貨アプリ

Adjustは、Apptopiaと協力して、2020年と2021年の仮想通貨カテゴリーにおけるトップアプリを明らかにしました。いくつかの突出したアプリが登場していますが、ランキングは前年から大きく変わっており、Binanceがトップになったほか、CoinDCXやMetaMaskなどが初のトップ10入りを果たしています。

仮想通貨アプリの成果をエンゲージメント指標に基づいて評価する場合、同じような実績のあるアプリ、すなわち「株式投資アプリ」と比較するのが最善な方法です。例えば、2021年第3〜第4四半期にかけて、仮想通貨アプリの継続率は一貫して株式投資アプリを上回っています。第3四半期を例に挙げると、1日目の仮想通貨アプリの継続率が32%であるのに対し、株式投資アプリは平均19%に留まっています。仮想通貨アプリは7日目になっても24%のユーザーを維持し続けていますが、対する株式投資アプリは13%です。14日目には19%対12%、30日目には18%対9%となります。これは、仮想通貨アプリのマーケターにとって大きなチャンスを意味します。仮想通貨アプリのユーザーの継続率が高いということは、この30日間を通してユーザーを収益化できる可能性が十分にあるということです。このようなベンチマークを考慮すれば、LTV(顧客生涯価値)をKPIに設定すべきなのは一目瞭然です。

仮想通貨カテゴリーでは継続率が非常に高いことから、平均的な仮想通貨アプリがユーザー獲得のためにどれだけの数のパートナーと連携しているのかを調査してみました。すると興味深いことに、仮想通貨アプリのパートナー数はバンキングアプリよりは多いものの、株式投資アプリや決済アプリよりもかなり少ないことがわかりました。仮想通貨アプリユーザーはLTV(顧客生涯価値)が高いため、このニッチなオーディエンスにリーチできる比較的少数のパートナーと連携するのが効果的な戦略なのです。

仮想通貨アプリの定着率に注目する

定着率の点でも、仮想通貨アプリのユーザーは株式投資アプリのユーザーを大きく上回っています。仮想通貨アプリの定着率は2021年を通して高く、第4四半期にはピークとなる35%に達しました。この数値はこれからも増加を続けると考えられます。株式投資アプリ(同じく第4四半期)の定着率が23%であることを考えれば、仮想通貨ユーザーの性質は他のフィンテックカテゴリーのユーザーとは異なることは明らかです。

仮想通貨は(さまざまな意味で)独立したカテゴリーとして台頭しつつあります。これは、ハイパーカジュアルゲームがゲームカテゴリーで他のサブカテゴリーとまったく異なるのに似ています。マーケターにとってこの事実が意味することは、仮想通貨を「独立したカテゴリー」として捉えるべき時が来たということです。仮想通貨には、他には無いニッチなユーザー層と、独特でニッチなユーザーニーズがあります。さらに、Adjustのデータを見ると、アプリのマーケターや開発者が適切な戦略を実行することができれば、高価値で熱心なユーザー層を確立できることがわかります。

仮想通貨アプリの定着率は、Adjustが計測するすべての主要地域において特筆すべき数字を示しており、2021年第4四半期のAPACの定着率は36%にのぼります。この期間で最も低い数値はLATAMの29%ですが、フィンテックカテゴリーの平均は21%、アプリ業界全体では19%と、決して低いとは言えないこの数値からも、仮想通貨の定着率がいかに圧倒的であるかがわかります。

2022年における仮想通貨アプリの成長

デジタル資産・仮想通貨カテゴリーがアプリ業界で成功するかについては、仮想通貨への人々の関心の移り変わりを理解することに加えて、複数の要素が鍵となります。

仮想通貨に関する広告規制は、国や地域などの司法管轄区域によって異なるため、マーケティング戦略を構想する際は、広告のコンプライアンス要件をしっかりと確認してください。また、クリエイティブを使ったABテストを実施することを推奨します。多くのブランドは、金融の未来を拓くパイオニアとしての自信に満ちた、大胆で勢いのあるイメージ構築に取り組み成功しています。

仮想通貨というニッチな分野に焦点を当てることは、このシリーズを通して追求している結果を得るための優れた方法です。しかし、新たなオーディエンスを発掘することをためらう必要はありません。たとえ広告予算の95%を仮想通貨アプリに関心のあるユーザーセグメント向けに費やすとしても、新規ユーザー獲得キャンペーンに5%の予算を割り当てることで、収益化が成功する場合もあります。これまでにないほどの人々が仮想通貨カテゴリーに関心を寄せている今こそ、新規ユーザーにとって親しみやすいものにすることが効果的な戦略と言えるでしょう。その好例として挙げられるのが、FTXやCrypto.comといった大規模な仮想通貨取引所がブランド認知度の向上に多大な投資を行い、米国を中心としたプロスポーツファン層に働きかけるキャンペーンを展開しました。

仮想通貨アプリマーケティングの世界に参入するためのヒントや対策、インサイトを希望する方や、仮想通貨カテゴリーの既存アプリを成長させる方法を知りたい方は、Adjustの仮想通貨アプリトレンドレポートをご覧ください。

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