ブログ Conversion Hubのスマート設定でiOSのマーケティングを成功に導く

Conversion Hubのスマート設定でiOSのマーケティングを成功に導く

先日、Adjustはスマートで簡単、効果的なconversion valueマッピングを実現するオールインワンソリューション「Conversion Hub」をフルリリースしました。アドバンスト設定について詳しく解説した以前の記事に続き、今回はスマート設定に焦点を当て、アプリの特性に合わせて容易にカスタマイズ可能なconversion valueマッピング機能について紹介します。

今日のモバイルマーケティングでは、個々のビジネスモデルのニーズに対応できるだけではなく、iOSとSKAdNetwork(SKAN)のパフォーマンス計測を強化できるソリューションを見つけることが不可欠になりました。これを受けて生まれたのがAdjustのSKANソリューションスイートです。多くのモバイルマーケターにとって、conversion value戦略を立ち上げて軌道に乗せることは、気の遠くなるようなプロセスです。Conversion Hubの一部としてスマート設定を構築したのはまさにこのためで、マーケターがSKANマーケティングのスキルを向上させながら、戦略的なconversion valueマッピングを行えるようにすることを目的としています。では、スマート設定について詳しく見ていきましょう。

モバイルマーケターの技術的・戦術的なニーズに対応

iOSのモバイルマーケターがSKANに取り組み始めると、多くの疑問点に圧倒されそうになり、必要な情報がないと意思決定が複雑になる場合があります。もともとの「conversion value」の概念から発想し、63のconversion valueすべてに主要なイベントをマッピングする必要があるかどうかを検討してからマッピングの設定に進むというだけではなく、最大6つまで利用可能なビットにイベントをマッピングするというコンセプトについても同時に理解する必要があります。その上で「それぞれのアプリにとって適切なのはconversion value(値マッピング)か、それともビットへのマッピング(ビットマッピング)か?」という問いに答えを出さなければいけません。

機械学習が最小限の入力事項に基づいてアプリに合ったconversion valueマッピングを提供するスマート設定は、マーケターがこれらの問いに答えを出すことを手助けしてくれます。同時に、チームはSKANの専門知識を深め、iOSへの戦略的アプローチを継続的に改善・強化できるようになります。

各クライアントがconversion valueの最適なマッピングを決定する際、「ビットマッピング(透明性とシンプルさが強み)と値マッピング(より柔軟性あり)のどちらを適用するか?」という問いへの答えを出すために、スマート設定は、次の3つの要因を考慮します。

  • アプリカテゴリー
  • アプリがインストール後24時間以内にユーザーから収益を得ているかどうか
  • アプリの収益化モデルの仕組み

スマート設定が行うマッピングにおいて、アプリカテゴリーは非常に重要な役割を果たします。異なるカテゴリーのアプリが2つあり、どちらもアプリ内購入(IAP)で収益化し、どちらもインストール後24時間以内に収益を上げられる場合、必ずしも両方のアプリにとって収益範囲のマッピングが効果的であると仮定することはできません。つまり、スマート設定は、主要なイベントや収益範囲を計測するために、そのアプリのカテゴリーに合ったコンバージョンマッピングモードを推奨します。それではここで、2つのアプリがインストール後24時間以内に収益を上げ、どちらもIAPで収益化しているものの、スマート設定が異なる設定を推奨している例を見てみましょう。

スマート設定の使用例:ゲームアプリ「Hyper Combat」とフードデリバリーアプリ「Amazing Groceries」の比較

Adjustのデモアプリ「Hyper Combat」と「Amazing Groceries」のマーケティングマネージャーは、conversion valueの設定を一から行うための技術的・戦術的なサポートを必要としています。両者はiOS戦略の手を緩めることなく、SKANの専門知識を深めたいと考えています。そのために、SKANキャンペーンにおける、アプリの主要な指標やイベントをできるだけ正確に洞察するための、最適化可能で尚且つ詳細にconversion valueのマッピング設定が行える方法を検討しています。この場合、適切なのは値マッピングとビットマッピングのどちらでしょうか?

Hyper Combatの戦略は、広告費用、アプリ内イベント、不正対策、広告収益に大きな重点を置いています。ゲームカテゴリーにおいて主要となる「レベルの追加」やゲームのモックアップキャンペーン、広告フリーキャンペーンなどの幅広い施策を行いつつ、アプリ内エンゲージメントを目的とした、ソーシャルメディアでのシェア、「友達の招待」、「レベル1到達」、「レベル10到達」などを計測しています。また、Hyper Combatが重視する収益・サブスクリプションイベントは、「コイン1,000枚購入」などのコイン一括購入、ガジェット購入、広告フリープランの購入などです。

Amazing Groceriesの戦略は、同じくIAP収益モデル(購入完了による収益化)がベースにあるものの、キャンペーンの粒度、ユーザー獲得、クロスプラットフォーム/ネットワーク計測など、異なる戦略コンセプトに重きを置いています。一方はゲームアプリ、もう一方はEコマースアプリのため、アプリ内エンゲージメントイベントもそれぞれ異なります。例えばAmazing Groceriesでは商品検索、商品閲覧、初回購入、チェックアウトなどのイベントに焦点を当てています。

Hyper CombatとAmazing Groceriesのマーケターは、スマート設定で以下の簡単なステップを踏むだけで、すぐに使える推奨マッピング設定の提案を得ることができました。

  1. マーケターが2つの簡単な質問に答えてデータを入力した後、スマート設定が値マッピング(収益)とビットマッピング(行動)のどちらが適しているかを判断します。以下の画像からわかるように、両者ともインストール後24時間以内に収益を上げており、IAPによる収益化を行っていると答えています。
  1. アプリのカテゴリーに応じて、異なる推奨マッピング設定が表示されます。このケースでは、Hyper Combatには収益マッピングが、Amazing Groceriesには行動マッピングが推奨されています。これは、AdjustのLTV予測分析により、ゲームアプリインストール後数時間の購入額が、ユーザーの長期的な購入行動と密接に関連していると判断されたためです。この場合、収益範囲を63のconversion valueすべてにマッピングし、低い範囲から高い範囲にマッピングすることで、そのキャンペーンがもたらしているユーザーについて理解することができます。低い範囲のconversion valueがポストバックされることが多いキャンペーンは、ユーザーが多くの収益を生み出す可能性が低いことを示す一方で、高い範囲のconversion valueがポストバックされることが多いキャンペーンのユーザーは、多くの収益をもたらしLTVが高いことを示しています。

しかし、フードデリバリーアプリについて分析したところ、早い段階での購入行動と長期的な購入行動との間に厳密な相関関係は見られませんでした。例えば、フードデリバリーアプリをインストールしたユーザーが、ファーストフードチェーンに注文をしたとしましょう。購入額は比較的低く、そのため最初の24時間以内に発生する収益は低い範囲にとどまります。だからといって、そのユーザーが今後より価格の高い食事を注文しないとは限りません。1日目に価格の高い注文をしたユーザーにも同じことが言えます。そのユーザーはそれ以降何も注文することがないかもしれません。あるいは、同じ週にファーストフードチェーンに注文する可能性もあります。ゲームアプリのユーザーのLTVは、最初の24時間の収益に基づいて予測することができますが、フードデリバリーアプリの場合、最初の24時間に起こった他の主要なイベント(最初の数時間におけるセッション数、検索回数、閲覧した店舗数など)がユーザーのその後の行動をよりよく表す傾向にあります。この点を考慮し、スマート設定は、行動マッピングとビットマッピングのどちらがより効果的であるかを判断しているのです。

  1. 次のステップでは、Hyper Combatの収益範囲がconversion valueにマッピングされ、Amazing Groceriesのビットがイベントにマッピングされています。Hyper Combatは、63のconversion valueにそれぞれ収益範囲がマッピングされており、各範囲が異なるLTV指標を示しています。Amazing Groceriesでは、6つのビットにマッピングされた6つの主要なイベントが選択され、一つひとつがユーザーの長期的な行動やLTVの指標にもなっています。

効果的に計測ができるキャンペーンの構築と、iOSにおけるアプリの成長促進を行いたいモバイルマーケターにとって、2023年、SKANの活用は避けて通れない課題です。Conversion Hubは、アプリ、カテゴリー、収益化方法に合ったconversion valueを自動的に提供することで、すべてのマーケターがSKANに対応できるようサポートします。

Adjustの次世代SKANソリューションスイートやConversion Hub、スマート設定とアドバンスト設定を活用してiOSキャンペーンをレベルアップさせる方法の詳細については、Adjustまでお問い合わせください。

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