ブログ ウェビナーまとめ:SKAN 4をマスターする方法

ウェビナーまとめ:SKAN 4をマスターする方法

Adjustは先日、SKAN 4をマスターする方法:計測を成功させるための心得をテーマにしたウェビナーを開催しました。Adjustのプロダクトマーケティングマネージャーとしての私の主な役割は、Adjustをご利用のアプリマーケターがAdjustの製品や機能を把握し、活用できるようにすることです。iOSキャンペーンの計測は、今日のモバイルマーケティングにおいて依然として最も困難な側面の1つであり、AdjustはSKAN(SKAdNetwork)4で計測を成功させるために必要な知識とインサイトをマーケターのみなさまに提供したいと考えています。

この記事では、SKANソリューション プロダクトマネージャーであるサンドラとのウェビナーで取り上げられた内容のまとめをお届けします。SKAN 4の新機能を活用する方法、最も困難な要素とは何か、そして複雑さを戦略に変える方法など、SKAdNetwork (SKAN)の重要なポイントについての最新情報をご紹介します。

iOSにおけるSKANとユーザープライバシーの経緯と概要については、Adjustの包括的なガイド「iOS 14.5以降のマーケティング:はじまりから現在までを振り返る」をご覧ください。

業界注目のトピック:SKAN 3からSKAN 4への移行

SKAN 3からSKAN 4への移行に関する懸念事項は、お客様からよくいただくご質問の1つです。サンドラは、移行は大変な作業のように思われるものの、実際にやるべきことはそれほど多くはないと話します。SKAN 4のポストバックを受け取るには、パートナーとネットワークがSKAN 4のシグネチャーで広告に署名し、ユーザーがiOS 16.1以降のデバイスを使用していなければなりません。

SKAN 4を戦略的に活用し、新機能とメカニクスを活用したい場合は、SKAN 4対応のSDKと、conversion valueをマッピングするための設定も必要です。また、SKAN 3とSKAN 4を同時に使用することも可能で、SKAN 4はまだ業界全体に普及していないため、当面は両方が使われる状況が現実的だと言えます。

AdjustのConversion Hubでは、SKAN 3とSKAN 4の両方でconversion valueマッピングを設定し、同時に実行できます。また、SKAN 3のconversion valueマッピングがすでに完了している場合は、これを直接コピーしてSKAN 4の詳細なconversion valueマッピングに使用することをおすすめします。このように、SKAN 4を実際に開始するのはそれほど難しくありませんが、それをマスターできるかどうかは別の問題です。

成功するための準備

サンドラが話すように、最初にすべきことは、SKAN 4対応のSDKへのアップデートを完了させることです。その次に、粒度の細かいconversion valueと粒度の粗いconversion valueを最大限活用する方法を考えてみましょう。ユーザージャーニーを詳細に把握できていれば、このプロセスが少し楽になります。不明な点がある場合は、Adjustまでお気軽にお問い合わせください。担当者がプロセスの最初から最後までお手伝いします。これについてサンドラは、Adjustが現在行っていること、テストしていること、およびAdjustが推奨している点について述べています。

Adjustが複数のネットワークで実施したテストでは、null値に関する良い結果が得られています。SKAN 4で導入された粒度の粗い値の導入により、クライアントが受け取るnullの値数が減少する、あるいはnull値の分布が減少して粒度の粗い値が優先されることがわかりました。これらはもちろん粒度の細かい値ほど詳細なものではありませんが、ユーザーがアクションを実行したかどうかに関する情報が得られます。これはnull値に比べて大きな改善であることは明らかですが、粒度の粗い値のプライバシーのしきい値が満たされていない場合、依然としてnull値を受け取ることがあります。

さらに、2つの追加された計測期間とそれに対応するポストバックを活用したことによっても良い結果が出ました。期間が追加され、時間がより長くなったことで、ジャーニーにおける長期間にわたる行動に関するインサイトや指標が得られるだけでなく、この情報を予測分析のためのアルゴリズムに利用することもできます。これは非常に期待できる新機能です。

現時点でSKAN 4で「やるべきこと」と「やってはいけないこと」

SKAN 4の使用を開始するにあたり、サンドラと私がリストアップした、当面の間「やるべきこと」と「やってはいけないこと」は次のとおりです。

  • キャンペーンの費用を節約しすぎない(SKAN 3も同様):1つのキャンペーンに十分な広告費用をかけましょう。ポストバックを受け取るには、1日あたり25のインストールが必要であることがわかりました。

  • シンプルにする:SKAN 3のconversion valueマッピングを設定済みで、それが上手く機能している場合は、それをSKAN 4の粒度の細かい値として1対1で使用してください。

  • すぐにlockWindowを使用しなければならないというプレッシャーを感じない:テストを実施する前に、マッピングの戦略を微調整し、それが機能することを確認するのが重要です。

  • 新しいソースIDを使ったターゲティング施策ばかりではなく、適切な階層のポストバックを取得してからターゲティングを行うようにしましょう。

  • 2回目と3回目のポストバックの期待値を管理し、セッションには最初の小さい値を使用します。

SKAN 5について

現時点でわかっているのは、SKAN 5が近いうちにリリースされるということ、そしてリエンゲージメントがその一部であるということだけです。リエンゲージメントはAdjustがSKANに望んでいたことだったため、この点を非常に嬉しく思っています。iOSでは、App Tracking Transparency(ATT)でオプトインしたユーザーに対してしかリエンゲージメントができないことから、これが現在SKANにおける大きなギャップとなっているのです。

FacebookやGoogleなどのパートナーのソリューションにどう影響するかは、非常に興味深いところです。サンドラは、ディープリンクをリエンゲージメントの一環として、そしてオーディエンスのセグメンテーションとマルチタッチジャーニーのインサイトを、今後SKAN 6で導入される可能性がある機能として挙げました。どれも今後引き続き注目していきたいポイントです。

その他のよくあるご質問

  1. Adjustを使用している場合、必ずSKANを導入しなければなりませんか?

    SKANの導入は強制ではないものの、AdjustはSKANをマーケティングに取り入れることを非常に強くおすすめします。ATTと粒度の細かいデータからは優れたインサイトが得られますが、それらを使用するにはオプトインを確保する必要があります。SKANデータは、同意したユーザーだけでなく すべての ユーザーのデータを集計したものです。Adjustは、SKANを導入することは大きな課題であり、多くのクライアントや業界関係者からこうした声が寄せられていることを理解していると同時に、その実現に役立つツールをご用意しています。今すぐAdjustのソリューションをお試しください。お客様が各種ツールをマーケティングに 活用 できるよう、専任チームがサポートいたします。

  2. Adjustはnullのコンバージョンを減らすためにどのような取り組みをしていますか?

    どんなに優れたネットワークやパートナーを利用していても、それらがプライバシーのしきい値の条件を満たしていない場合、nullのコンバージョンが発生する確率が高くなります。Adjustは、これらの欠落したギャップをモデル化するための階層的な統計手法を開発しましたが、最も高度なレベルの解決策は、より多くのnull値をもたらすソースからのコンバージョンを切り捨てることです。

  3. Conversion HubはSKAN 4をサポートしていますか?

    もちろんです。Adjust Suiteの一部であるConversion Hubは、SKAN 4を完全にサポートするように設定されています。同じアプリでSKAN 3とSKAN 4を切り替えることができ、いずれかまたは両方のconversion valueマッピングを設定するためのあらゆる手順を実行できます。ウェビナーで、サンドラによるこのプロセスの手順ごとの解説をご覧ください。

この記事でお伝えしたSKAN 4についての解説と、サンドラからのヒントをご活用いただければ幸いです。Adjustは今後も次世代のアトリビューションソリューションの開発とテストを続けていきます。これらのソリューションは、集計データからインサイトを得ることを優先事項として位置付け、新たな計測の世界でマーケターが自信を持って予算やアナリティクスに関する意思決定を行えるようサポートします。

iOS/SKAN 4以降に関する詳細については、Adjustの担当者までお問い合わせいただくか、デモにお申し込みください。今すぐAdjustでSKAN 4のマーケティングを開始しましょう。

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